ITストラテジスト過去問解説【令和3年 午後1】

令和3年のITストラテジスト試験の過去問解答と解説を記載しています。
まだ公式解答が出ておりませんので、すべての解答が合っている訳ではございませんので
ご了承ください。
公式解答でましたら、更新いたします。
過去問の確認はこちらから

IPA 過去問題

(2021/6/27追記)
公式解答でましたので、更新いたしました。
思ってたより間違っていました。特に問2が間違いが多かったです。
まだまだ精進が必要ですね。

ITストラテジスト試験令和3年午後1 総評

問1タクシー会社のDXに関する出題。全体的に『易しめ』
問題文をしっかり読めば、問題なく得点を重ねることができる。
問2小売店の店舗販売とインターネット通信販売の有効に関する問題。難易度としては『普通』
一部の設問では、読み込みだけではなくしっかりと問題文の背景やビジネスを理解しているかが問われており
浅く考えると誤った解答に導かれる。
問3印刷会社の写真事業における新規ビジネスの企画に関する設問。『やや易』くらいの難易度という感触
問題文を読めば基本的に迷うことはなく、解答を導くことができる。
目次

ITストラテジスト試験令和3年午後1 問1 タクシー会社におけるデジタルトランスフォーメーション

設問1

解答

実車率の向上
顧客の利便性向上

解説

目標は「収益を伸ばす」ことですが、目的は冒頭に記載されている通り「実車率の向上」と「顧客の利便性向上」です。

設問2

(1)車載アプリに、他の空車の位置情報をリアルタイムで表示する理由は何か。40字以内で述べよ

解答

空車が集中して効率よく顧客が獲得できない事態を防ぐため

解説

「空車」に関する記述を探す。すると、[新サービス検討の背景]のドライバへのヒアリングに『空車が集中して効率よく顧客が獲得できない』という課題があることが分かる。本機能はこのような事態を防ぐためだと推測できる。

(2)車載アプリに、走行ルートが表示されることによって、どのような顧客の不満足を解決できるのか。30字以内で述べよ

解答

目的地によっては顧客自身が道順を指示しなければならないこと

解説

[新サービス検討の背景]に記載されている顧客へのヒアリングに、走行ルートに関する記述があるため
この内容を引用する。

設問3 [配車アプリとサービスプラットフォームの連携]について、A社はAIが多くの外部データを活用することで、どのような改善を期待できると考えたか。30字以内で述べよ。

解答

顧客の待ち時間や乗車時間の予測精度を向上させていくこと
(IPA解答)待ち時間、乗車時間及び目安料金の予測の精度が向上する。

解説

[配車アプリとサービスプラットフォームの連携]に記載されている「AIによって改善を期待されていること」は、最終段落に記載されている『予測精度の向上』となる。
(2021/6/27追記)
『目安料金』についての記載がございませんでした。減点ほどではないとは思います。

設問4

(1)A社が、車載アプリとサービスプラットフォームの利用料を無償で提供して、提供先を多く確保しようと考えた具体的な狙いは何か。35字以内で述べよ。

解答

空車が配車アプリに表示されないという顧客の不満を解消する
(IPA解答)配車可能な車両を増やし、配車アプリの利用者とA社の顧客を増やす狙い

解説

「地域によっては空車が表示されない」といった課題が挙げられている。この課題を解決するために、提携先を増やして今までカバーできていなかった地域までカバーすることが狙いである。
(2021/6/27追記)
『具体的に述べよ』という部分についての解答が不十分でした。

(2)提携会社の顧客が配車アプリを利用しなくても、顧客が提携会社に期待できるメリットは何か、30字以内で述べよ。

解答

車載アプリにより、多くの決済サービスを利用することができる

解説

顧客が配車アプリを利用せずとも、提携会社が車載アプリを利用することによって、車載アプリの機能を享受することができる。車載アプリ単体でメリットを享受できるのは[車載アプリとサービスプラットフォームの連携]の最後に記載されている『決済機能』である。

ITストラテジスト試験令和3年午後1 問2 小売業の店舗販売とインターネット通信販売の融合

設問1 [ネット通販の強化とネット通販システムの構築]について、売り上げ回復につなげるために新規にネット通販システムを構築するのはなぜか。25字以内で述べよ。

解答

現状のサイトは取扱商品の良さをアピールしにくいため
(IPA解答)外部のネット通販サイトの制約が解消するから

解説

[ネット通販の強化とネット通販システムの構築]の中に『店舗売上の落ち込みを補完すべく、ネット販売を強化する』と記載がある。強化する部分は、[R社の課題]に挙げられているネット通販の課題が解答となる。
(2021/6/27追記)
IPAの解答は観点が異なりましたので併記しています。現状のサイトの課題を挙げればよさそうではありますが、正解になるかはIPA次第ですね。

設問2 [店舗の取組]について

(1)顧客のどのような場合を想定して、ネット通販の購入品を店舗で受け取れる仕組みにしたのか。30字以内で述べよ。

解答

会社の帰りなどに最寄りの店舗で商品を受け取る場合
(IPA解答)商品が想像していたものと違う場合にその場で対応する。

解説

店舗での受け取りに関する記述は『任意の店舗のロッカーで受け取れる仕組みを導入する』という記載があるので、これが想定されたケースとなる。
『その場で返品・交換できるようにする』というのも解答になりうる気がするけど、、
(2021/6/27追記)
『その場で返品・交換できるようにする』の方がIPA解答でした。

(2)店舗にない商品でも他店舗や配送センタに在庫がある場合、ネット通販の流通経路に乗せて配送できるようにした狙いは何か。25字以内で述べよ。

解答

顧客に直接配送し、再来店を不要とするため
(IPA解答)品切れ時にも顧客がすぐに購入できるから

解説

商品在庫に関する課題は2件記述されている。
[R社の課題](商品在庫の確保と値引きに関する問題)
 ①『入荷までに時間がかかる』
 ②『顧客が再来店しないケースがある』
この中で、『配送時間』に関する記述はないため『再来店』に着目する。ネット通販の流通経路に乗れば自宅に配送できるため、再来店が不要になるというメリットがある
(2021/6/27追記)
IPA解答ではEC導入の一般論のような内容が解答となっておりました。『ネット通販の流通経路』にポイントを置いている訳ではない気がするので、ちょっと不満です。

(3)体験重視の販売促進に取り組み狙いは何か。30字以内で述べよ。

解答

画像だけでは伝わらない商品の良さを、体験でアピールするため

解説

『顧客の閲覧が多数あるものの売上が伸びていない商品』が言及されている。これを販売促進することが狙いとなります。

(4)店長の裁量で販売価格を変更できる仕組みにする理由は何か。20字以内で述べよ。

解答

販売機会を逃がさないようにするため

解説

(商品在庫の確保と値引きに関する課題)の最後に記載されている通り。

(5)店舗で損益シミュレーションができる機能を開発する理由は何か。25字以内で述べよ。

解答

目標値である粗利率を考慮できるようにするため

解説

価格についての課題を(商品在庫の確保と値引きに関する課題)の中で探すと、『粗利率』について言及されている。これを注意深く読むと、損益シミュレーションが必要な理由がわかる。

設問3

(1)基幹システムでネット通販の売上が連携できる機能を開発するのは、R社のどのような課題を解決するためか。25字以内で述べよ。

解答

ネット通販の最新の売上が把握できない点
(IPA解答)ネット通販の売上を手作業で連携していた課題

解説

連携機能に焦点を当てた解答をするべきでした。

(2)在庫管理サブシステムでネット通販システムと連携する機能は、どのようなR社の取組に対応するものか。30字以内で述べよ。

解答

店舗に在庫がない商品を他店舗や配送センタから配送する取組
(IPA解答)顧客がネット通販の購入品を店舗で受取可能にする取組

解説

『配送』に着目するか『受取』に着目するかの観点が違ったようなので併記しています。

ITストラテジスト試験令和3年午後1 問3 印刷会社の写真事業における新規ビジネスの企画

設問1 [小中学校の状況]について、B社が新規ビジネスを展開していく上でもっている強みは何か。人的リソースの観点から35字以内で述べよ。

解答

各都市に複数名のカメラマンと事務スタッフが在籍している事
(IPA解答)同一日に同一都市の複数の小中学校にカメラマンを派遣できること

解説

人的リソースと限定されると、記述があるのは『カメラマンと事務スタッフ』のみ。これが同一都市に複数拠点あることで、[小中学校の状況]中盤辺りに記載されている

同一小中学校が同一日に学校行事をすることが多く、カメラマンを調達することに苦労した

という課題に対応することができる強みとなる。
(2021/6/27追記)
具体的に記載する必要があったようです。観点は合っていました。

設問2

(1)B社が新規ビジネスの立ち上げによって対応しようとした、写真事業における事業課題の背景となる問題は何か。15字以内で述べよ。

解答

スマートフォン内蔵カメラの普及
(IPA解答)カメラマンの稼働率低下

解説

『高性能のスマートフォン内蔵カメラの普及により、カメラマンの稼働率が下がっている』ことが[B社写真事業]の事業課題として挙げられている。
事業課題⇒カメラマンの稼働率低下
事業課題の背景⇒高性能のスマートフォン内蔵カメラの普及
(2021/6/27追記)
深読みし過ぎたようで、『事業課題』だと思っていた方がIPA解答になっておりました。

(2)C中学校の職員へのメリットのうち、写真購入システムが提供するものを二つ、それぞれ20字以内で具体的に述べよ。

解答

写真を校内に掲示する掲示する業務の削減
写真を取りまとめて発注する業務の削減

解説

(3)C中学校の保護者へのメリットのうち、写真レコメンド機能が提供するものを二つ、それぞれ30字以内で具体的に述べよ。

解答

自分の子供が移った写真を優先して表示する
子供の表情が笑顔のものを優先して表示する

解説

[新規ビジネスの概要]最終行にそのまま記載されている。

設問3

(1)学校の担当者の依頼に対応するために、B社が実装できる機能は何か。30字以内で具体的に述べよ。

解答

自分の子供以外の子供の写真に顔にぼかしをいれる機能

解説

「B社が実装できる機能」は、写真購入システムの内容に加えて、[B社の写真事業]の最終段落に記載されている過去認証技術で

・写真に写っている"顔の識別"と"表情の分析"

・写真の一部に自動でぼかしを入れる機能

である。このうち、「写真の一部に自動でぼかしを入れる機能」については法整備とプライバシー意識の高まりによって実装された機能と記載があるため、『写真に写った顔に加工を入れる技術』であることが想定される。
これを「自分の子供の顔が写った写真を、他の保護者に購入されたくない」という要望に利用する。

(2)”写真撮影販売サービス以外の新たな提案”とは何か。15字以内で述べよ。

解答

卒業アルバムの制作業務

解説

[B社の写真事業]には、写真撮影に関する業務のほかに『アルバム制作』についても言及されている。アルバムという単語で問題文を探すと、[小中学校の状況]として

・写真は卒業アルバムとしても掲載している。

・卒業アルバムを良いものにするため、毎年非常に苦労している。

という記述がある。これらの課題に対し、B社のアルバム制作事業から事業提案することができる。

過去問の解説は以上となります。過去問対策をしっかり行うことが合格への近道となります。
分からない部分はそのままにせず、きちんと理解していきましょう。

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